〜続き〜
去年の秋に大病に罹って入院されているということだったので前職の先輩と12月にお見舞いに伺いました。お会いした時は想像していた以上にお元気そうだったので、良かった良かったとお見舞いにもかかわらず昔話に花が咲き、つい1時間以上も滞在してしまった程でした。
年が明け、今度は2月に私の息子が大病にかかっていることが分かり、入院。闘病中は奥様とはお互い看病する同士として励ましあって過ごしていました。特に2月、3月は治療の行く末が見えない私にとって奥様の「大丈夫よ」の一言は一番の睡眠薬でした。その後、紆余曲折がありましたが7月に無事に息子は退院しました。
少し落ち着いた7月中旬にご自宅にお見舞いに伺ったところ、「今回は災難だったなあ、でも退院できて良かったな」と言って頂きました。「元気になったら、また金沢でうまいもんでも食べましょう」と言う私に「金沢か、そうだな、また行きたいな」と仰ったのが印象的でした。それからは比較的安定した状態だったと聞きましたが、10月上旬に前職の職場の先輩から悲しい訃報が届きました。
お別れの会が終わり少し経った頃、海洋散骨日が決まったと連絡がありました。海をこよなく愛し、釣りを最後まで楽しんでいらっしゃった方なので、海洋散骨でパッと大海原に帰っていく方がぴったりときます。それでも、東京の海、湘南の海、香港の海、秋田の海、広島の海、色んな海に釣りに出かけたけれど、今度の海がいよいよ最後かと考えていたら何だか無性に悲しくなりました。
そんな気持ちを引きずってスタートした先週25日にお隣の奥さんから冒頭の上海蟹を頂いたのです。偶然かもしれませんが、私には偶然とは思えないのです。「オマエ、来てくれるんだってな、ありがとな。上海蟹送っといたから、まあ食べてくれ」という声が聞こえてくるようです。翌日上海蟹を食べながら、あの初めて上海蟹を食べたときのことをボンヤリ思い出しました。
私も良いオッさんになりましたよ。
本当に大切な、素敵な思い出をたくさんありがとうございました。